深夜の鼻血に、あなたはどう対応する? 〜我が家に神降臨、の巻〜
深夜3時。
むくむくっと息子が起き出す。
「……鼻血。」
息子はハウスダストのアレルギーがある。
よく鼻をズビズビやっているが、なぜか鼻を噛むことができない(4歳)。
鼻をつまんで、ズビッと吸うのが、彼の鼻噛みスタイルだ(鼻スイ??)。
その鼻スイをやると、おそらく鼻の粘膜が傷つくのだろう、鼻血をよく出す。
寝る前にズビズビやっていると、夜中寝ているときに、というのも、時々あるのだ。
その日は、旅行前日。
明日から旅行と言うことで、気合を入れて大人たちは睡眠をとることに励んでいた。
そこで、彼の鼻血がでたわけである。
当然隣で寝ていた私も気づき、仕方なく(ごめん)ティッシュで鼻を抑える。
睡眠真っ只中だったところを起こされて、私は非常に不機嫌だった。
でも、息子にしたら大変な困った事態だっただろう。
そして息子だって、眠いのだ。
そうは分かっていながらも、鼻血を出した彼に優しくできない私。
詳しくは書かないが、半ギレである。
そこに救世主が現れる。
「○○(息子)、おいで」
布団で娘と寝ていた旦那が、私のイラつきを察知し、目覚めたのである。
(ちなみに息子の鼻血には気づかなかったようだ。不思議なもので、男性は赤ちゃんの夜泣きに気づかないことが多いらしい)
バトンタッチし、私はすぐに横になった。
しかし、鼻血が止まるまで見届けてあげられなかった罪悪感で、目は瞑っているがなかなか眠れない。
息子と旦那の会話に耳をそばだてる。
「大丈夫か? もうすぐ止まるよ。
パパもさぁよく小さい頃鼻血出してたんだよぉ〜〜〜
ここ押さえれば、止まるからな。」
……今目覚めたばかりなのに……
睡眠を妨げられたにもかかわらず、その神対応!?
なぜだ、なぜなんだ!?
優しすぎはしないか!?
そのうちにすぐに鼻血は止まり、息子も旦那も眠っていた。
しかし私はなかなか眠れなかった。
私も、よく鼻血を出す子どもだった。
登校班に行く時間になると必ず出る鼻血。
ごめんなさい、先に行ってて!
そんな日が1週間続くこともあった。
そのとき私の親がどんな風に対応してくれたかは正直覚えてないけれど、
きっと仕事に行く準備をしたい忙しい時間、それを割いて私の看病に当たってくれていただろう。
『バスで泣く子どもに舌打ちするおじさん』
その人に、自分が子どもだったことを忘れてるんだな、と言うSNSのコメントをよく見かける。
私は、『バスで泣く子どもに舌打ちをするおばさん』になっていたことがショックだった。
と、共に、普段はつい文句ばかりをぶつけてしまっている旦那の優しさに、感動したのであった。
朝、旦那にそのことを伝えると、
「いや〜眠かったけどさ、前に(私)が、夫婦2人で機嫌悪くなっちゃ、子どもの逃げ場がなくなるからよくないって言ってたじゃん? (私)がキツそうだったから、俺は優しくしてあげなきゃって思ってさ〜〜〜」
だとさ。
いくら自分が言った言葉だったとしても、どんな状況でも実行できるかどうかは別問題である。
忠実に、私が言ったことを実行し、いつでも優しくあれる旦那。
尊敬に値する。
素晴らしいな、と思った。
私も、幼い頃の気持ちを忘れず、人に優しくできる人でありたいなと思う。
一番近くにいる素晴らしいお手本のように。
眠った息子がその1時間後また目を覚ました。
「鼻血……。」
神の放った言葉はこうだ。
「鼻ほじっただろっ!!!!!!!!(怒)」
人間、睡魔にはなかなか勝てないようだ。
神もまた、人間である。
認め合って、生きて行こうね。